死に近づく

「顧客の真の要望」についての対照的な二つの反応経由で、
特殊清掃「戦う男たち」を知った。

切り込み隊長の、仕事に対するプロ意識とか、お客さんに対する真摯な態度とか、人生を楽しもうとする心がけとか、見習いたいです。小学生じゃないんだからもっと言葉があるだろと思うけど、ハバネロを育てるしか能がないんで……。

この人は自分が今置かれている状況を不幸だとは思っていないはずなのに、自分のような人生を送らないために、なんて書いている。きっと壮絶な過去があるんだろう。


話はずれるが、常々思っていることがある。相手のことを考えたり、人の気持ちを察するのがうまい人は、みんな特殊な環境で幼少期を過ごしたように見受けられるということだ。身近なところで言えば K 教授や後輩 S は、少なくとも僕から見て、あまり幸せな家庭環境であったとは言えないところで育っているようだ。

翻って自分に与えられた環境を見ると、何一つ不自由無く幸せに暮らしてきたと言っても過言ではない。彼らのような敏感なセンサは無いけど、自分のそういう状況を認識できる程度にはセンシング能力はあると思っている。


閑話休題。「戦う男たち」は、死を扱う話題ばかりである。内容は壮絶ながらも、切り込み隊長のユーモアのおかげで、必要以上にプレッシャーを感じずに読むことが出来る。下らないオチで笑えたり、しんみり終わったり、こういう例えは不謹慎かもしれないけど、ブラックジャックを読んでいるときの感じに似ている。しかしこのようにオブラートに包まれていても、得られるものはある。このエントリを読んでなにも感じないことがあるだろうか?


自分に与えられた境遇、家族、恋人、友人、周りの人々のことを思うと、もうすこし、今より真摯に生きてもいいんじゃないか。と思った。23歳の2日目。